個人アカウントで動かしていた自動化を、全社共通アカウントに載せ替えるときに詰まった論点
- 採用業務を自動化する4機能の統合が完了し、個人アカウント運用から本番移行の段階に進みました
- 全社共通のGoogleアカウント1つで動かす必要があり、アクセス許可設定を誰が行うかが論点になりました
- 面接官カレンダーの「出社」予定の入力の仕方が人によって違うため、自動抽出のロジックが揃わない問題がありました
採用業務の自動化として、Gmailでの応募受信・返信、候補者情報の記録、応募書類・NDAの作成、面接日程調整カレンダーという4つの機能の統合が完了し、個人アカウントでの運用から本番移行の段階に進みました。ここで直面したのが、「作れること」と「組織で運用に載ること」は別問題だという壁です。
全社共通アカウントへの移行という論点
本番移行にあたっては、全社共通のGoogleアカウント1つでこれらの機能を動かす必要があります。個人アカウントで動かしていたときには意識しなくてよかった、アクセス許可の設定を誰が行うのかという論点が新たに出てきました。
面接官によって入力ルールが違う
本番移行を進める中で最も厄介だったのが、面接官カレンダーへの「出社」予定の入力の仕方が、人によってばらばらだという問題でした。ある面接官は予定タイトルに「出社」と明記し、別の面接官は別の書き方をしている、といった具合に入力ルールが揃っていないため、自動抽出のロジック側だけでは対応しきれません。
面接候補日の抽出自体は、Google Calendarから面接官の予定を取得し、「出社」予定がある時間帯のみを30分単位の枠に分割、さらに各枠の前後15分に他の予定が重なっていないかをバッファとして判定する、という実装で組んでいます。ロジックとしては動くのですが、その前提となる「出社」予定の入力が人によって揺れていると、抽出結果そのものが安定しません。技術的な実装の正しさと、現場の入力運用がそろっているかどうかは、別のレイヤーの問題だと痛感した部分です。
個人アカウント依存を排除する運用ルール
あわせて、社内のGAS運用ルールとして次の4点を整理しています。
| No. | ルール |
|---|---|
| 1 | 秘密情報はコードに直書きせず、Properties Serviceに分離する |
| 2 | GASの編集権限は2〜3名に最小化する |
| 3 | 退職・異動時にDrive/GAS/Slack/外部SaaS連携を棚卸しする |
| 4 | 共有ドライブ配下でスタンドアロン管理し、個人アカウント依存を排除する |
まとめ
4機能の統合という技術的な作業自体は完了しています。しかし本番移行の段階に来て見えてきたのは、全社共通アカウントでの権限設計や、現場ごとに揺れる入力ルールといった、組織で運用に載せるための調整でした。「作れること」と「組織で運用に載ること」の間には、まだ埋めるべき距離が残っています。
個人環境で動くPoCを、組織で運用できる仕組みに載せ替える段階のご相談をお受けしています。